第3章 交わった2人のコンプレックス。
「あっ…あぁぁッ…」
ズンッと奥を突かれた瞬間、身体の中で何かが弾けた。
「うっ…く…ん」
そのあとすぐに渚も果てた。
「あ、はぁっ…」
身体中の力が抜けたように、そのままあたしに持たれかかる。
「ごめん…ちょっとこのままでいい?
イッたばかりだと動くの大変でさ。
嫌ならすぐ退くけど」
「嫌じゃないよ」
「ごめんね。
僕体力ないから1回でバテちゃって」
「気にしなくていいってば。
シてる時はあんななのに、終わった途端シャイになるんだね」
「あはは、最中は夢中でさ」
「そういう渚も好きだよ。
あたししか知らない渚だもん」
「ありがとう、沙織」
ズルッと自身を引き抜いた。
「どんな沙織でも僕は好き…だから」
「あたしも。
どんな渚でも好きだよ」
コンプレックスとコンプレックスが交わると、気にならなくなるんだね。
渚と一緒ならこのコンプレックスのことも好きになれそうだよ。
だって渚が好きだって言ってくれるから。