第2章 ボクと如来
ぐるぐると何かが回ってる。
これはいったい何だろう……?
耳元で風のうなる声がする。
体の下で雷が走る音がする。
ドンドンと何かをたたく音が……バリバリと何かを破る音がボクの眠りを妨げる……。
これは、いったい何の音……?
すべての音がやんだとき、ボクの体がふわりと浮かび上がる。
ほんのりと伝わる温かい温度。
誰かに抱き上げられているのか、ボクの体に響く鼓動。
「天が産みし忌児よ……我は、そなたを育てよう……。後に来る災厄が起こる時まで……」
誰かの声がした。
その人が、何を言ったのか理解をすることはできなかったが、ボクはそのぬくもりに体をゆだねた……。