第20章 グレイ scene2
「ただいまー」
深夜1時。
やっと大野さんが帰ってきた。
「おかえり!寒かったでしょ?」
靴を脱いで上がってきた大野さんの頬を両手で包み込む。
「大丈夫だよぉ…」
ふふっと笑うと頬を包む俺の手を握った。
あんまり手が冷たくてびっくりした。
「大野さんっ…早くお風呂入ってきな?手がこんなに冷たい…」
「ん…そうだね。お風呂入ってくる」
そう言って歩き出した。
「あ…ニノ」
「ん?」
もじもじしてる。
「なあに?言わないとわからないよ?」
にやにやしていうと、顔を真っ赤にした。
「おかえりのちゅー…して?」
とてつもなくかわいいから、すぐに抱きしめておかえりのちゅーをしてあげた。
「ふへ…嬉しい…」
「ほら。早くお風呂」
「うん!」
大野さんが脱衣所に入るのを見届けて、リビングへ戻る。
お夜食と晩酌の準備を整える。
あと、寝室も暖房入れておいて…
あ、着替え出してなかった。
慌てて着替えを持って脱衣所のドアを開けると、ちょうど上がってきたところだった。
「わっ…ニノ」
びっくりして身体を隠すけど、何一つ隠れていない。