第20章 グレイ scene2
席に戻ったら、もう皆出来上がってて。
「あーもうっ…おまえらトイレなげーんだよ!」
斗真が慌てて席を立った。
大野さんは爆睡中。
潤と相葉さんが、不思議そうな顔でこちらを見てる。
「え?どうしたの?」
「いや…なあ?」
「おん…」
潤の指差す方向を見た。
翔さんと俺の手が繋がれていた。
「え?あっ…!」
慌てて手を外した。
「え…もしかして…お前ら…」
相葉さんが真剣な顔になる。
「い、いやその…」
その時、斗真が戻ってきた。
「すっきりした~!」
「ぎゃあっ…」
大野さんの腕を思いっきり踏んづけた。
「ごめん!おーちゃん!」
「にゃああ、斗真ゆるさん!」
ぎゃーぎゃー取っ組み合いを始めた。
注目が逸れてホッとして席に座ったら、潤が俺達の事まだ見てて。
「ねえ…前々から思ってたんだけどさ…付き合ってんの?」
ヤバイっ…
そう思った瞬間、翔さんに抱き寄せられた。
「ごめん。言ってなかったけど、そういうことだから」
「しょ、翔さんっ…」
部屋がシーンとした。
まずいっ…
「おめでとう!」
「えっ…」
斗真がめっちゃ笑顔で言ってくれた。
「やっぱりね~…俺はそうじゃないかと思ってたよ…ふふ…」
ニヤニヤしながら相葉さんがビールを飲み干す。
「めでたいじゃん!お祝いしようよ!」
潤がビールを追加で注文してる。
「そおだったのお。おいら、わかんなかった!」
大野さんはにこにこしながら俺に握手を求めてきた。
え…お前ら…
翔さんの顔をみたら、にっこり笑ってる。
…いいのかな…俺たち…
俺と翔さんは嵐と斗真公認の恋人同士になった。
「翔ちゃんとニノ、何飲む?」
最後に飲むお酒を聞かれて、翔さんは俺の顔を見ながらこう答えた。
「オレンジ・ブロッサムで」
【END】