第19章 不言色(いわぬいろ)
また俺を床に寝かせると、壁に俺を押し付けて、ガンガンに責め立てられた。
「あっ…も、イクっ…」
汗を流しながら俺の上で、雅紀が呻く。
縛られた手で壁を押しながら、なんとか雅紀からの突き上げに耐えた。
「ああっ…」
やっと、雅紀の動きが止まった。
雅紀の荒い息遣いが、中に入っているものの振動と共に伝わってくる。
「翔ちゃん…」
中に自身を残したまま、雅紀が俺の顎を掴む。
そのまま雅紀の顔が近づいてくる。
「んっ…」
唇を塞がれて、舌が口の中に入ってくる。
いやらしい水音を立てながら、雅紀の唇が俺の口を蹂躙していく。
「な、んだよ…もう、気が済んだろ…?やめろよ…」
それでも執拗に唇は俺を追ってくる。
指が、はだけたシャツの中に入ってくる。
胸の先端に指が触れると、ビクリと身体が跳ねた。
雅紀が顔を上げて、俺をじっと見た。
「感じてる?もしかして」
それには答えないで横を向いた。
口も閉じて、何も答えない。
答えてなんかやらない。
「翔ちゃん…」
また唇が落ちてきて、今度は首筋を這って行った。
「こんな身体してるなんて…」