第19章 不言色(いわぬいろ)
「挿れて…」
掠れた声でニノが耳元で囁く。
「お願い…欲しい…」
泣きながら訴える声に、理性も綺麗に吹っ飛んでいった。
ニノの唾液で濡れたモノを後ろに押し当てて、無理やり腰を前に進める。
苦しそうな呻き声を上げて、ニノが俺にしがみつく。
でも止められなかった。
「うっ…ああっ…ニノっ…ニノっ…」
「しょ、さんっ…もっとっ…」
ニノの手が俺の腰の辺りを這いまわって、急にぐいっと押した。
「もっと奥にっ…」
「ニノっ…だめだって…凄いから、お前の中…」
「ああああっ…も、出して?俺の中に出して?」
ニノが乱れながら俺の顔を両手で掴むと、めちゃくちゃに唇を貪られた。
「んっ…んんっ…ニノっ…」
「あっ…あ…イっちゃ…も、だめ…」
ぎりっと俺の肩を握りこむ。
再び唇が重なった瞬間、俺達は果てた。
お腹にニノの熱い白濁が掛かるのがわかった。
暫くそのまま動けない。
ニノの中はじっとりと俺を包み込んで離さない。
ぶるりと震えると、ニノは俺を見上げた。
「翔さん…」
誘われるようにまたキスをすると、ニノの目尻から水晶がこぼれ落ちる。