第19章 不言色(いわぬいろ)
「う…ぁ…」
いよいよ視界が真っ白になった瞬間、俺は全力でニノを突き飛ばした。
簡単にニノは吹っ飛んでいって。
急に入ってきた空気にむせこんで、俺は蹲った。
「ごほっ…う…」
喉を押さえてニノを見ると、床に倒れこんでいた。
「に…の…」
身体を引きずってニノの顔を覗き込むと、涙を零したまま目を開けていた。
「な、んで…?」
なんでこんなことしたんだよ…
なんでだよ…
力の入らない手で、ニノの襟首を掴むとがんっと床に叩きつけた。
「なんで…だよ、ぉ…」
こんなことされてるのに、何故か俺は勃起していて。
なんでだかわからないけど、興奮してて。
ニノに覆いかぶさると、そのまま唇を落とした。
貪りたかった。
かき乱したかった。
「翔さっ…んぅっ…」
ニノから発せられた声は、俺の口の中に吸い込まれた。
乱暴にニノを押さえ込みながら、唇を貪った。
キスの音がまた俺を煽った。
ニノが暴れるほど俺は興奮した。
乱暴に上着を脱がせると、乳首に触れた。
ニノの身体が跳ね上がって、唇からくぐもった吐息が漏れた。
止まれなかった。