第17章 ショコラ scene2
チーフマネに無理を言って、それから雅紀と俺は3日オフを貰った。
大した仕事入ってなかったから、他のメンバーに変わってもらったりできたからだ。
メンバーは皆、快く引き受けてくれた。
それほど、俺の顔はヤバかったらしい。
「早く相葉ちゃんから犬、出て行くといいね!」
智くんは雅紀の上の方を見ながら言った。
「もしかして智くんも犬見えるの?」
「うんとね。犬、遊びたいって言ってる」
「え!?智くん、犬と喋れんの!?」
「え?うん…なんとなくだけど…」
「先生は犬とはしゃべれないって言ってたのに…」
「なんでだろ?すっごく喋ってるよ。この子」
やっぱこれが、才能の違いなんだろうか…
ほんと良くわからない。
「この子の名前、黒っていうんだって」
「黒かあ…」
雅紀がぴくりと反応した。
「黒!」
「わんっ」
返事したよ…こいつ…
「たくさん遊べたら、成仏するんじゃないのかな?」
そう言って智くんは帰っていった。
「よし…じゃあ遊ぶか…黒」
「わん!」
もう…かわいい…
「いくぞ」
そう言って手を差し出したら、黒はきゅんっと鳴いて、俺の手を握った。