第16章 グレイ scene1
「こ、今度は俺が洗ってやるよ」
「えっ!?」
「いいから座れよっ!」
「に、ニノ…」
無理やり座らされて、髪をわしわし洗われた。
「あの…」
「お客さーん、かゆいとこないですか?」
「えっ…いやあのそれよりも、痛い…」
「え?ないんですね?」
聞けよ…オイ…
ざっぱーっと頭からお湯を掛けられて、コンディショナーをしたらニノは俺の前に座り込んだ。
ちょ…丸見えなんすけど…
「身体も洗ってあげる」
「へ?」
そう言うとニノはボディソープを手にとって泡立てた。
「ちょ…そこに洗うのあるから…」
ナイロンタオルを指差したけど、ニノは見向きもしない。
「んふ」
そう笑って俺の身体に手を這わせた。
ぬるぬると俺の身体をゆっくりと撫でていく。
「ん…」
「なあに…?感じちゃったの?」
「ばか…くすぐってえんだよ…」
ニノの手が脇腹を行ったり来たりしてる。
まじでくすぐったい。
にやにや笑いながら、ニノはそれを面白がって見てる。
なんだかだんだん腹がたって来た。
「おい…いいかげんにしろよ?」
「なあにが…」
あくまでしらを切るつもりだ。