第13章 インディゴ scene2
事務所の車に迎えに来てもらって、三人で車に乗り込む。
「ね…翔ちゃん」
「なあに?」
「来月の翔ちゃんの誕生日…どうしてほしい?」
「え?どうって…」
「智の時は、智の初めてだったでしょ…」
「雅紀の時は、翔くんの初めてで…」
「翔ちゃんの誕生日は、何の初めてがいい?」
「な、何いってんの…」
「あ、今回は女装も初めてだったなあ…」
智くんが顎に手をかける。
「あ、アレは凄かったねえ…ハードだったよ」
「ちょっ…ちょっ…聞こえるでしょ!」
慌てて二人を止めるも、運転席からはくぐもった笑いが聞こえてくる。
「あっ…ほら、聞こえてるからっ…」
「程々にしてくださいよぉ」
マネージャーから声がかかる。
「あっ…あたりまえだろっ…!」
「ねえねえ翔ちゃん!」
「なんだよ!バカ!」
「「なにがいい!?」」
キラキラした目で俺に問いかける三十路男二名…
も…やっぱりこいつら悪魔だっ…
【END】