第13章 インディゴ scene2
「お、おかえり…雅紀」
「ただい、ま…え?」
「お、おかしいかな?」
「いやっ…ぜんっぜんおかしくなんかない!」
「俺も?」
「うん!智もおかしくなんかないっ!」
雅紀が俺達に飛びついてきて、ぎゅううううっと抱きしめた。
「嬉しい!俺のミニスカサンタ!!」
これ、去年の友達同士の忘年会で使ったもので…
たまたまふたりでやったから、二着持ってた。
智くんも俺もウィッグ被ってサンタ帽。
念のため、お化粧して。
すね毛もかるーく剃っておいた。
ニノが、なんでもいいから女装して雅紀を迎えてごらん、喜ぶよって教えてくれたから…
でも、こんなに喜んでくれるなんて…
「ま、雅紀…」
「ん~?」
「ケーキ、たべよ?」
「うんっ!」
智くんが器用にろうそくを立てて。
ライターで火をつけた。
部屋の灯りを消すと、ろうそくのやわらかい光が辺りを包んだ。
「雅紀、お誕生日おめでとう」
「ありがとう!」
ふーっと吹き消すと、笑い声が響いた。
ケーキを食べて、ちょっとだけお酒を飲んで…
少し酔っ払ったら、そのまま寝室へ突入した。