第10章 チャイニーズ・ローズ
電話を切ると、翔くんが迎えに来て。
俺の服を、丁寧に脱がせた。
俺も翔くんの服を、ゆっくりと脱がせた。
白い胸板が見えると、口づけて強く吸った。
「っ…潤…」
「誰にも…見せないで…」
そう言って笑ったら、翔くんの目から涙がこぼれ落ちた。
「翔くん…?」
「風呂…入ろ…?」
俺の手を持って、立ち上がらせた。
バスルームは、程よく温もってて。
イスに座らされて、丁寧に足を洗われた。
洗い終わったら、浴槽にそっと移されて。
後ろから翔くんも入ってきた。
ぎゅっと俺を抱きしめると、そのまま動かなくなった。
愛おしいぬくもり…
「潤…」
「ん…?」
「…なんでもない…」
「…なんだよ…」
くすくす笑ってたら、きゅうっと腕に力が入った。
「苦しいよ…翔くん…」
「ん…」
そっと腕を解くと、翔くんの方へ向き直った。
「翔くん…」
そっと抱きしめると、翔くんの肩が震えた。
「潤…」
「なあに…?」
「もう…どこにもいかないでくれ…」