第10章 チャイニーズ・ローズ
スマホの音が…
うるさいなぁ…なんだよ…
朝から…
「潤」
びくっと身体が反応した。
「起きろ」
「はっ…はいっ…」
飛び起きたら、まだ翔くんが居て…
「え…なんで…?」
「いいから出ろよ」
シーツを纏って、俺にスマホを差し出した。
「う、うん…ありがと…」
画面をみたら、彼女からで。
鳴り止むのを待とうかと思ったけど、翔くんが出ろって言って…
スワイプすると、すぐに声が聞こえてきた。
『潤!?今どこにいるの!?』
「え…なんだよ…朝から…」
『答えて!櫻井さんと一緒なの!?』
「え…?」
翔くんが俺のスマホを取り上げた。
スピーカーにして、俺に差し出した。
『答えてよ!今、どこなの!?』
「待てよ…どうしたんだよ…」
『写真が送られてきた…!潤と櫻井さんがキスしてる…』
「えっ…」
翔くんが笑い出した。
低い、地を這うような笑い…
『…一緒にいるの…?』
「いるよ?」
翔くんが答えた。
スマホをぶら下げながら持ってる。
顔に向けて喋り出した。
「お前の彼氏は、一晩中俺にヒィヒィ言わされてたよ?」
「翔くんっ!」