第9章 きみどり scene4
収録が終わって、帰路についた。
あの三人は相変わらず団子になって、俺たちに群がって帰っていった。
智の腰を心配してくれるのは、ありがたかったけど。
翔さんは隙あらば、智にとびつこうとしてて油断ならない…
がっちりガードしといた。
潤がまた翔さんの耳をひねりあげて、連れて帰ってくれた。
相葉さんが苦笑いして、謝って帰っていった。
「にぎやかだねえ…あの三人…」
智がソファに凭れながら、脱力してる。
「ん…さ、俺達もいこ?」
智に向かって、手を差し出した。
「ん、ありがと」
そっと立ち上がらせると、目が合って。
ふふっと微笑んだ。
「帰ろ?さとのお家へ…」
「うん…帰ろ。かず…」
ぎゅっと手を繋いだ。
あたたかい手…
繋がれたぬくもりだけで充分だなんて、キレイ事は言わない。
身体を暴風雨のように駆け巡る快感だって、欲しい。
それが、あなたからもたらされるものであれば。
なんだって欲しい。
でも今は…
このぬくもりだけを、握りしめて…
”僕と君の未来になった…”
【END】