第9章 きみどり scene4
「あ…」
かずの声が聞こえる。
「え?」
顔を見ると、上を見上げて呆然としている。
「なに?」
見上げると、翔ちゃんがソファの背もたれに身体を預けてこちらを見ていた。
もちろん口は塞がれて。
まだ縛られてるみたい。
めっちゃ悔しそうな顔してる…
「みっ…みるなっ!」
そんなこと言われたってって顔して、もうそれはそれは悔しそうにしてるのがおかしくて…
「う、羨ましいだろ…」
思わずからかってしまった。
その瞬間、横から手が伸びてきて、翔ちゃんの口に貼ってあったガムテープが取られた。
「智くん…ずるい…」
「へ?」
「俺もシたい!」
「ええええ!?」
相葉ちゃんと潤がむっくりと起き上がってきて、翔ちゃんの首根っこを捕まえた。
「もー!また、そんなこと言って…」
「ほんっと懲りないんだから…浮気したらどうなるか、わかってるでしょ!?」
潤が翔ちゃんの耳をひねった。
「だって…智くんずるいんだよ…あんなにニノをヒイヒイ言わせて…」
「わかったから…翔の嵐好きはわかったから…だからって、あの二人はあなたと寝ないんだからね?」
相葉ちゃんが言い聞かせるように、翔ちゃんを抱きしめる。