第9章 きみどり scene4
「ニノ~こっち!」
相葉さんの声で、リビングに行く。
ソファに囲まれたテーブルには既に、料理が準備してある。
「結構、本格的なんだ…」
「当たり前だよ…嵐のリーダーの誕生日なんだから…」
翔さんがソファに腰掛けながら、笑う。
「うん…ありがと」
「おっ?もうすっかり彼女づらじゃん」
からかうように言われて、赤面する。
「いっ…いいでしょ?別に…」
「かわいいねぇ…」
にやにや笑いながら、翔さんが俺の頬を手で包んだ。
「キスしたくなる…」
「ばっ…!何言ってんのよ!」
「翔ちゃん!もう!」
相葉さんがべしっと翔さんの頭を叩いた。
「ごめんね?ニノ。この人、嵐が好きすぎて…」
「へ?」
「なんでもない…さ、ニノ。ワイン選んでよ」
潤が用意したと思われるワインから、白とロゼを選んだ。
「智くん、赤好きじゃないの?」
「ううん…今日は浮かれてこぼしそうだから…赤やめとく」
「あ、そういうことね…」
それから、テーブルのセッティングを手伝って。
智のくる時間になった。
なんと。
時間ぴったりに現れた。
俺と翔さんは爆笑した。
智が嬉しがってるのが、手に取るようにわかったから。