第7章 虫襖-ムシアオ-
「ニノ…好き…大好き…」
乱れながら、雅紀が囁く。
「俺も…お前が好きだよ…」
「ニノ…嬉しい…俺だけのものになって…」
「いつだってお前だけのものだよ…」
「嘘…嘘つき…」
びくっと身体を反らせると、白濁を吐き出す。
「もっと…ちょうだい…?」
また微笑む。
朦朧とした意識で、またあいつを穿つ。
気持ち良すぎて、飛ぶ。
こんな時じゃないと、本音が言えない。
「愛してる…雅紀…」
「に…の…」
「ねえ…俺のこと愛してる…?」
「あい…してる…」
「もっと…愛して…」
「愛してる…ニノ…お前だけだよ…」
「もっと…足りないよ…雅紀…」
最奥まで穿つと、雅紀は意識を飛ばす。
その中に果てると、俺も意識を放った。
そういう夜が明けると、決まって雅紀の顔を見られない。
「ニノ…もっと愛するから…」
そう言ってもたれ掛かる身体を掻き抱く。
「じゃあ、今日も俺のために行ってくれる?」
「わかったよ…ニノ…」
また、こいつを汚すことに没頭した。
無駄だとわかっているのに。
ますます自分が汚れていくだけだとわかっているのに。