第6章 きみどりscene3
掃除機を持って戻ると、もう欠片は落ちてなくて。
新聞紙に大野さんがお皿の欠片を包んでいた。
「あ、ありがと。そこ置いといて」
「いいよ。掃除機くらいかけるから…」
「だめっ!」
急に大きな声を出されてびくってなった。
「え…なんでよ…」
「刺さったら…どうするの…」
いきなり顔を赤くしだした。
「大事な和也が怪我したら…いやだもん…」
照れながら顔をあっちに向けて言うから、もう我慢できなくなってきて…
「智…」
「も、早く掃除機かけるから…」
こっちに歩いてきたと思ったら掃除機を奪い取った。
そのまま掃除機を掛けてる後ろ姿に抱きついた。
「わっ…」
「もう…好きだよ…」
「え?なに?掃除機の音がでかくて、聞こえない」
「なんでもない!」
抱きついたまま、しらを切った。
「な、なんだよ…もう…」
言いながら電源を切る。
そのまま壁に智を押し付けた。
強引にキスをした。
智のお腹がきゅーって鳴ったけど、もう知らない。
俺はこの人を食べる。
俺の朝食は、大野さんなんだから。