第1章 しあわせはここにある-parallel-
大野side
早く終われと思った。
さっさとイってしまえ。
なんでこんな時間かかるんだよ。
嵐のコンサートツアーの最終日。
終わったばかりの空き部屋で、俺は犯されていた。
何度目かわからない絶頂を俺は迎えた。
始まる前に、なんかヘンな錠剤を飲まされた。
あれのせいだと思う。
まだ30分しか経ってないのに…
「くっく…大野…感じてるんじゃねえよ…」
下卑た声が聞こえてくる。
デビューできないことのストレスを俺にぶつけてくる、ジュニアの先輩たち。
いつもメンバーは一緒で。
人数だけ増えたり減ったりする。
中でもコイツが一番しつこい。
「すげえ締まるぞ…お前…男でも感じてるじゃねえか…」
俺は口をぎゅっと結んでなにも答えない。
いつもそうなのに、コイツはしつこく喋りかけてくる。
はやくイってしまえよ…
「ああ…やべえ…持ってかれちまう…」
腰の動きが早くなった。
早くしろよ…
いてーんだよ…
ヘタクソ。
さらさら音がする。
俺のプライドが崩れていく音。
俺は男だ。
なのになんで
なんでこんなことになったんだろう。