第4章 灰紫
翔ちゃんの恐怖で引きつった顔を見たら、止まらなかった。
快感という沼が、どろどろした愛液でいっぱいになって溢れ出してくるようだった。
俺の目を見て怯える翔ちゃんを、安心させるように、何度もまぶたにキスを落とした。
潤が触れたところ、全部俺で埋めてあげる。
忘れさせてあげる。
愛してあげる。
俺だけのものにしてあげる。
その過去さえも消してあげる。
まるごとあなたを俺のものにしてあげる。
……壊してあげる。
翔ちゃんの中に入った瞬間。
世界の色が変わった。
鮮やかな色彩に彩られた翔ちゃんは、美しかった。
頬を朱に染めて、額に汗を浮かべて。
その唇は、どこまでも赤く俺を誘った。
女みたいに身体をうねらせて、俺を受け入れる翔ちゃん。
「きれいだよ…翔…」
そう囁くと、翔ちゃんの瞳から涙が溢れだした。
もっと、美しい景色…
「もっと、きれい…」
涙を拭うと、それを舐めた。
何度も何度も、翔ちゃんは絶頂を迎えた。
その白濁さえも、鮮やかな白。
翔、俺は永遠にお前を手に入れたよ…
【END】