第4章 灰紫
俺の腕の中で智が荒い息をついてる。
それが鎮まるまで、俺はぎゅっと智を抱いた。
ごめん…
ありがとう…
智の息が静かになる頃、そっと智の唇にキスをした。
「翔…」
智が俺の肩にてをかけて、起き上がる。
「もうちょっとだよ…」
「え…?」
微笑むと、俺を静かにまたベッドに寝かせた。
「智…?」
智は傍らに落ちていたロープを手にすると、俺の両手を取って縛った。
一体何をされているのかわからず、呆然とした。
「言ったでしょ?潤が触ったとこ、ぜんぶきれいにしてあげるって…」
その目には…
優しい炎が見えた。
「待っててね…」
智が、ゆっくりと俺の後ろに指を這わせた。
「や…やだ…待って…智っ…」
暴れる俺に智はスタンガンを手に、微笑んだ。
「翔ちゃん…」
ゆっくりと、スタンガンが近づく。
俺は恐怖で動くことができなくなった。
「そう、いい子…」
スタンガンを手に持ったまま、智は俺の中に指を滑らす。
その顔には、微笑みが浮かんでいた。
…微笑ってたんだ…