第4章 灰紫
「ねぇ…言ってよ…智…俺のじゃないとだめだって…」
「いやっ…今日の翔ちゃんいじわるだから言わないっ…」
涙を流しながら、顔をいやいやと横にふる。
そんな姿が、また唆るなんて…
わかってないんだよな…この人…
嗜虐心がむくむくと湧き上がってくる。
「言えよ…」
だんだん心が凶暴になってくる。
この人の心まで独占したくて、乱暴になる。
もっと俺でいっぱいになって。
もっと俺だけ…
俺のことだけ考えて。
「やだぁっ…こわいっ…翔ちゃんっ…」
俺の顔を見て、逃げようとする。
「言えって…智…俺だけだって…俺のことだけ好きだって…」
「やっ…やだぁっ…怖いよ…」
「智っ…言えよっ…」
細い腰を力任せに握って引き寄せる。
抱き上げると立ちあがって、窓辺に寄る。
「あっ…何するの?やめて、翔ちゃん…」
懇願なんて聞かない。
カーテンを開けると、窓に智くんを押し付ける。
「ホラ…言わないと、電気つけるよ…?」
「やだ…やめて…」
「こんな恥ずかしいことしてるの、外から全部みえちゃうよ?いいの…?」
「翔ちゃん…どうしたの…?やめて…怖い…」