第1章 prologue
「おばあちゃんとおじいちゃんは、調査兵団なんでしょ?」
黒い長い髪をツインテールにした、淡い水色のワンピースを着た少女が、壮年の男女にそう話しかけた。
二人は、翼の刺繍がされたジャケットを着ている。
「そうだよ、エミリア」
黒髪の女性の方が、女の子エミリアの目線に合わせるようにしゃがみ微笑む。
隣の男性も続いてしゃがんだ。
「じゃあ人類最強の‘‘二人”も知ってるよね!!」
「あぁ、もちろんだよ」
キラキラと瞳を輝かせるエミリアに二人は微笑み、男性が胸を張って言った。
そうすればエミリアは一層笑顔を輝かせた。
「その二人がこの世界を救ったのって本当!?」
その言葉に一瞬二人が口を噤んだ。
けれどすぐに女性が微笑んだ。
「そうよ、二人がこの世界を巨人から救ったの」
「厳密に言うと‘‘ヒイロ”の方だけどな」
「それ言ったら兵長に殴られるわよ、エレン」
「今はもう‘‘ここ”にはいないだろ、ミカサ」
女性ミカサが、そうね。と少し寂しそうに笑った。
男性エレンがエミリアを抱き上げる。
「ねえ、二人の話もっと聞きたい!」
「あぁ、いいぞ」
「少し長くなるわね」
エレンとミカサの言葉にエミリアは大丈夫と笑った。
これは、人類最強と云われた
二人の兵士の物語。