第9章 図書館にて
「初の言う通りだな。まだ戦う時じゃない。やるべきことが残っているだろう、先生が買い取った農家を調べることがさ。これからは些細な選択でも今後の運命に関わってくるからな。だからこの選択が凶と出ても受け入れる覚悟をしたんだよ」
拓実が言うと初は無言で頷いた。
「万事屋はどうするんだ?」
「一応、依頼は達成しているんですけどね・・・。この仕事は好奇心がないと務まらないんですよ。だから、俺も一緒にに調べに行きますよ」
この場にいる全員が農家を調べることに賛成した。
「よし、図書館で調べものは終わったから帰りますか」
拓実の一言で現地解散となった。
午後5時45分 土御門神社
「ただいま」
「ふ~帰ってきたぜ」
「お帰り、お兄ちゃん、歩」
自宅に帰ると美希が迎えてくれた。
「オレたちのことも忘れてないか~美希」
モードレッドが不服そうに言うと美希は苦笑した。
「はは・・・。忘れてなんかいないよ。お帰り、モードレッド、アルトリア、ネロ」
「おっ、おう!」
「そこはただいまと、きちんと言うべきです。ただいま戻りました、美希」
「うむ、出迎えご苦労であった。大儀である」
皆は家の中に入った。初は自室に戻り体を休めていた。その時にノック音が聞こえ初は入室の許可を出した。部屋に入ってきたのは美希とエミヤとジャンヌ・ダルクだった。
「三人で来るとは、何かあったのか?」
「察しがよくて助かるよ、初」
「実は・・・」
美希が口を開いた。その内容は驚くべきものだった。それは昼間に襲われたことであり、金の箱を所持していたことを知っていたのである。
「なるほど・・・。それでオレは藤田に報告すればいいんだな」
「はい、お願いします。それと初さんたちのお話も聞きたいです」
「分かった。取りあえず藤田に電話しようと思う」
初は自身のスマホを取り出し小悟狼に電話をかけた。