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Fate/Fantasy Of Cthulhu

第6章 豊橋先生


小悟狼はニヤリと笑い言った。
「土御門、この古風なデザイン・・・どこかで見たことないか?」
「そんなこと言われても・・・ん~?あっ!!」
「何か分かったのか初?」
初が突然、声をあげたので拓実が聞くと首を縦に振った。
「この古風なデザイン・・・読めないがエジプトの象形文字だ。年代は中期王朝の頃だと思う」
「流石は歴史のスペシャリスト!!」
拓実が調子のいいことを言うと初は苦笑した。
中期王朝時代・・・エジプト第12王朝(紀元前1991年頃~紀元前1782年頃)のことで中期エジプト語が確立され、この王朝に纏わる数多くの文学作品が今日にまで伝えられている。
「じゃあ、お兄ちゃん。ふたの裏に彫り込まれている象形文字もそうなの?」
美希は、ふたの裏側を見せながら言った。
しかし、初は首を傾げてしまった。
「確かに、象形文字だが・・・」
「未知の言語だな、それは」
「なら!!俺たち大発見したんじゃね!?」
拓実の楽観的な発言に初と小悟狼はため息をついた。
それから、これからのことについて話し合った。
「俺が権利書と鍵を預かり、九条が日記帳を土御門兄妹が金の箱を預かり解析をしてくれ。解析が終わったら俺に連絡しろ。それから柏葉辻に行く。急いだ方がいいかも知れんが何も分からない状態で行くな・・・俺の勘が正しければ死ぬぞ」
小悟狼の指示に初、美希と拓実は力強く頷いた。
各自解散となろうとした時、拓実が思い出したように口を開いた。
「この箱、俺たちが持っている物が入っていた箱だが・・・。スタンドの上にあった物だろう?なら、豊橋先生の家族も気がついている筈だ、箱がなくなったことに」
「なるほどな・・・。土御門、その金の箱を色んな角度から写真を撮れ」
「分かった」
初は小悟狼に言われスマホを取り出し、金の箱の写真を撮っていた。
その間にも小悟狼は説明した。
「金の箱を封筒に入れ、元々入っていた箱に戻す。先生の家族に聞かれたら、これを渡す。まぁ、聞かれるのは俺だけだと思うが」
「どうして、金の箱なんですか?」
美希が首を傾げると小悟狼はニヤリと笑い言った。
「先生の家族に邪魔をされたくないからだ。これだけを渡されたら困るだろう?」
美希と拓実は苦笑した。
初は写真を撮り終え金の箱を小悟狼に渡した。
「よし、これで解散だ。俺は病院に残る。何か分かったら連絡を取り合うぞ」
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