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Fate/Fantasy Of Cthulhu

第3章 春という季節


「はは・・・お前たちは本当に仲が良いのだな。マスターである美希が康介を信頼している。であれば・・・私は康介、汝を信頼している」
「そっ、そうですか・・・ありがとうございます」
康介はアタランテの予想だにしていない言葉に戸惑いながらも感謝した。
戸惑っている康介を見て美希は笑っていた。

そのニュースは一斉に世界中を駆け巡った。
初が率いるロックバンド「Libélula」の解散するという。
一か月前にワールドツアーを開始するという会見をして、ローマでライヴを終えた直後だった。
解散する理由はメンバーが死亡したため、らしい。
詳細は明らかにされていないが、既にメンバーは日本に戻っていた。
拓実は自分の探偵事務所で週刊誌に目を通していた。
テレビでも騒がれているように週刊誌も「Libélula」の話題ばかりだった。
拓実が週刊誌に目を通していると探偵事務所の電話が鳴り響いた。
週刊誌を置き電話に出た。
「もしもし、九条探偵事務所・・・」
「あ~もしもし?お宅、初のダチの拓実であってる?」
電話相手の声は若い男の声をしていた。
性格も軽そうだった。
「どちらさんで?初のことや俺を知っているということは、少なくとも初に縁がある方か?いや・・・初のサーヴァントか?」
「ご名答。名前でも名乗ろうか?」
「名乗らなくてもいいさ。俺に電話を掛けてきた、ということは依頼だろう?」
「ヒュ~、流石は探偵。こちらの思考はお見通し、という訳か~」
「茶化すなよ、切るぞ・・・」
「悪い悪い・・・依頼だが、内容はシンプルさ。初を探してくれ」
やはり、と拓実は思った。
「構わないけど・・・アンタたちは初と互いに繋がっていなかったけ?魔術と言うのか陰陽術と言うのか知らんけど、それを活かして逆探知的なものできないの?」
拓実の疑問は当たり前だ。
マスターはサーヴァントに魔力を供給しているため繋がっている。
それを活かせば初を見つけるのは不可能ではない筈だ。
「それは可能さ。だが、それを試してみたんだが・・・どうやら、初の奴・・・探知されないよう、特殊な陰陽術を使っているらしいよ」
「探知されない陰陽術、か・・・。ちょい待て、どうして初が使っているの物が陰陽術だって分かった?」
拓実は陰陽術以外で使える物があるかも知れないと思った。
だから、陰陽術だと断定したことを疑問に思った。
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