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Fate/Fantasy Of Cthulhu

第3章 春という季節


桜が咲き誇り暖かな4月を向かえた。
歩は無事に進級することができ、高校2年生になった。
2年生になり数日が過ぎた日だ。
この日は委員会の集まりがある。
新学期を向かえたことによる、これからの方針を決める集まりである。
歩は部活に所属はしてはいないものの、委員会には所属していた。
それは生徒会だ。
「2-Aの土御門 歩です。秋学期から副会長を務める予定なので宜しくお願いします」
歩で2年生の挨拶が終わり1年生の番になった。
1年生が次々と挨拶をしていく。
「1-Aのマシュ・キリエライトです。一生懸命頑張りますので宜しくお願いします」
その中で歩はマシュという名の少女が気になった。
恐らく名前のせいでもあるが、言動のせいでもあると思った。
同じ1年生の中でマシュは特に物静かで浮いていた。
やがて会議は終わり解散となるが、歩は生徒会長からの頼みで書類の整理をしていた。
「土御門先輩、お疲れ様です。私で宜しければ力になりたいと思うのですが・・・その、何か手伝えることはありますか?」
歩は自分しか残っていないと思っていたので、マシュに声を掛けられ驚いた。
「キリエライトさんか・・・残っていたのか?」
「はい。もしかして、ご迷惑をお掛けしましたか?」
マシュは歩の顔色を窺うように聞いてきた。
その様子に歩は微笑んだ。
「迷惑じゃねぇよ。書類の整理も、終わりそうだから・・・戸締りを頼めるか?」
「はい、喜んで」
「そうそう、俺を呼ぶ時は土御門じゃなく、歩って呼んでくれないか?」
「でしたら私のこともマシュと呼んでくれませんか?」
「はは・・・分かったよ、マシュ」
「ありがとうございます、歩先輩」

美希は職場である保育園で新たな出会いに満足していた。
4月なので新たに入園した子どもたちと出会ったのだ。
卒園式の時は美希は悲しく泣いていたが、今はうれしく笑っている。
「美希、汝が喜ばしいのは何よりだ」
少しだけ古めかしい言葉を使うのはアーチャーのサーヴァント、アタランテである。
美希と同じく子どもが大好きである。
「アタランテも、嬉しそうだね」
美希が言うとアタランテは頷いた。
美希は帰宅途中であった。
夕方に差し掛かろうとする時間帯である。
いつもなら、遅くまで仕事をするのだが、今日は早めに終わったので帰宅することにした。
因みにアタランテは霊体化している。
「美希~!」
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