第10章 邂逅
「そして刀を交えた時では、何故か懐かしく感じました。あの者と会うのは初めてではない気がします。そして、一瞬ですがあの者の眼を見ました」
「ほう?」
小悟狼は興味深そうに聞き返した。
「とても悲しい眼でした、そして、その奥からは激しい憎悪を感じました。まぁ、その憎悪は私たちには向けられてはいませんでしたね。殺気を一切感じませんでしたので」
「なるほどな」
「それと・・・何故でしょうか、今回で会うのが最後ではない気がします」
「そうか・・・」
タバコの煙を出しながら小悟狼は答えた。それは沖田の意見を否定するのではなく肯定を表していた。
「明日は大詰めだ、備えて帰ろう」
「はい」
小悟狼と沖田は洋館を後にした。