第20章 お菓子は目分量で作ってはいけない
あっさり傘は見つかり適当に二本手に取りレジへ向かう。そして会計をしようとした時新八が慌てだした。
新八「あ、ちょっと天音さん、自分の傘くらい自分で…」
『いいのいいの、新八君がこんなびしょ濡れになったのも全部私のせいだから。傘くらい謝罪として奢らせて?』
申し訳なさそうにそう言う天音に対して新八は何も言えず、本望では無かったが傘の会計を済ましてもらった。そして会計を終えた二人は傘をさしてスーパーを出る。相変わらず雨は降り続き、しばらく止みそうには無かった。
新八「そういえば、銀さんへの気持ちが固まってるなら、土方さんはどうなったんですか?」
『ちゃんと話はしたよ。銀さんが好きだからなんて事は言えなかったけどね…。』
新八「そうですよね…。でも銀さんが聞いたらきっと大はしゃぎだろうな。」
新八は自分が慕っている人が惚れた相手と両思いだと知って、内心舞い上がっていた。それは新八だけでは無く神楽も同じで、二人とも天音に懐いていた事もあり素直に嬉しかったのだ。改めて二人がカップルになる日がそう遠くは無いと知り、正直気が気じゃなかった。
新八「銀さんにはいつ気持ち伝えるんですか?」
『予定ではこのケーキを渡す時に言おうかなって思ってる。勇気が出れば、だけど…。』
新八「近い未来過ぎてびっくりです。」
突然の告白宣言に新八は驚いた。でもバレンタインならそれはそれで絶好の機会だと、家に着くまでの間ずっと天音に応援の言葉をかけ続けていた。