第18章 休みの過ごし方は人それぞれ
何とか目を書き終え、鼻を書き始めようとするが手が小刻みに震えているせいでなかなかペン先を速やかに走らせる事が出来ずにいる天音を見て銀時は痺れを切らし、その震える手を止めようと軽く掴んだ。突然触れる銀時の手の感触に何故か今更天音の心臓が飛び上がり、あろうことか鼻の穴を書こうと差し掛かっていたペン先が下にずれ何やらとてつもなく長い鼻毛が出ているような絵柄になってしまった。
銀時「おまっ…これはっ………」
『ちょ、ちょっと銀さん神楽ちゃんの鼻から変なもの生えちゃったじゃないですか!』
銀時「え!?俺のせいなの!?お前がビクつくからだろうが!」
『そ、そんないきなり触られたらビクつくに決まってるじゃないですか!これは書き直さないと。』
新たに場所を変え鼻を書き始めようとすると銀時はそれを阻止し紙を取り上げハサミでまた切り始めた。神楽の鼻なだけにそれは駄目だと取り上げられた紙を取り戻そうと紙を持つ手の方へ身を乗り出す。
『ダメですって銀さん!それじゃあ神楽ちゃんが可哀想です!』
銀時「お、おい!あぶねぇって…うおっ!」
同時に二人は体勢を崩し床へと倒れ込む。身を乗り出していた天音は銀時の上へと倒れ込んでしまい、銀時はそんな天音の下敷きになってしまった。
銀時「あーもうだから言ったでしょうが!」
『だって銀さんが。』
銀時「いいだろうが副笑いくらいで。これくらいユーモアがあった方がおもしれぇだろ。」
天音分かりましたと銀時に言いながら身体を起こし、心の中で神楽にごめんねと謝るのであった。