第10章 誕生日が嬉しいのは若い時だけ
そう言う銀さんの声を聞いて私をからかっているという事はすぐにわかった。
でもこんな状況でそんな事言われたら否定しか出てこない。
私は抱き締められたまま銀さんの身体を力の入り切らない力でポカポカと叩く。
銀時「嘘嘘、こんな事ばっか言ってたらそのうちマジで殴られそうだな。」
「私そんな暴力的じゃないしきっとマジで殴っても痣も出来ないですよ。」
銀時「痣が出来るような力で殴ってくる奴なんて女じゃねー。神楽みたいになるんじゃねぇぞ。」
段々こんな状況なのにこんな話をしてる事が可笑しくてついつい笑ってしまう。
心地いい。
そんな事まで思ってしまうほどだった。
本当に私はどうしてしまったのかな。
銀時「とにかく、俺、頑張るから。」
天音「…………。」
銀時「そこ黙るとこ?心が痛むんですけど。」
天音「ごめんなさい、まだやっぱりこういう時どういう反応したらいいか分からなくて。」
銀時「別に決まった反応なんてねぇよ。分かったって言っときゃいいんじゃねーの?」
天音「わかりました。」
まじでそう言うのな、と軽く鼻で笑われたけど
そう言うしかなかったんだもん。
明日から今までとは違った日が始まるのかな?
期待と不安が混じりながら一日は終わっていった。