第10章 誕生日が嬉しいのは若い時だけ
そんな事言われても分からない。
屋根の下いつも一緒だから?顔を合わせない日が無いから?
私は原因が見つからず銀さんを納得させるような事なんて言えるわけもなくて。
「それは…」
銀時「もしかしてアイツより俺の事、意識してくれてるとか??」
「!?!?」
そんな事言われたら考え無いようにした所で無理に決まってる。意地悪だ。
思わず銀さんの顔を見てしまった。
妖艶に笑って、その紅い瞳を捕らえてしまった私は何故か目を逸らすことが出来なかった。
無意識に顔だけじゃ留まらず、熱を出したように身体が火照って行くのが分かる。
「……っ。」
銀時「あの、そんな顔で見ないでくれる?こっちまで照れちまうだろ。」
「だ、だってっ……!」
銀時「あーっ!!ったく!!」
そう言って銀さんは私を抱き寄せた。
あぁ、こうやって抱き締められるのは何度目だろう。
銀さんの気持ちを聞いてから、前なんかよりもずっと恥ずかしい。
心臓がうるさい…。