第8章 日本には四季がある
土方side…
(ったくアイツら馬鹿にしやがって。)
天音「土方さんどこ行くんですかー!」
俺があの場を去るのに足を進めていると背後から聞こえる愛おしい声。
でもきっと俺を追ってくる理由なんて、総悟に蹴り飛ばされて身体が心配だから、とかそんなとこだろう。
まあ、それでもあの声は今俺に向けられている。
今はそれだけで十分だ。
天音「もう、あんまり動き回っちゃ駄目ですよ!怪我とかしてないですか?」
ほらな。
あんな蹴り一発喰らったくらいでヘコたれてなんかいられねぇよ。
…気失っちまったけどな。
「あぁ。それよりあっちに居なくて大丈夫なのか?」
天音「そっくりそのまま返します!」
「俺はいいんだよ。ここで食う。」
天音「じゃあ食べ終わったら向こう戻りましょ。それまで私もここにいます。」
あぁ…きっとコイツは無意識でこういう事を言っている。
コイツが言う事成す事、全部が俺の感情を狂わせる。
こうやって俺を期待させる。
そうじゃない事くらい分かってんのにな。