第6章 忘れたい物事ほど思い出す
天音side…
「…………んん…?…あ、あれ?私どうして…」
私確か土方さんと……そうだ………
目が覚めるなりあの出来事を思い出し深くため息を吐いた。
「……初めての…。」
初めてのキス。実際ああいうものなのだろうか。
ファーストキスはイチゴ味。
甘いなんて事は一切なかった。
土方さんがタバコを吸っているせいか苦い記憶。
その中に混じる塩っぱい記憶。
それはきっと私の涙のせいだと思う。
「あ…銀さん。」
壁に寄りかかり座りながら眠る銀さんに気づいた。
どうして布団で寝てないんだろう。