第4章 浮かれてばっかいたら痛い目に遭う
そして二人は少し人気の少ない場所へ移動した。
いきなり引っ張られて驚いたのか天音の
目からは涙は出ていなかった。
銀時「はぁ、もうそんな泣くから俺が泣かしたみたいじゃねぇか。」
天音「…ごめんなさい。」
その言葉が刺さったのか、天音の目に
再び涙が滲み出てきた。
銀時「あああ!うそうそ!大嘘!ごめんって!だからもう泣くなよー!」
天音「……ふふっ」
銀時のあまりの焦りように可笑しくなり
天音に笑顔が戻った。
それを見た銀時も、やれやれと笑みを浮かべる。
天音「銀さんは私のヒーローですね。」
銀時「……っ」
銀時を見て満面の笑顔を向ける天音。
その顔を見て銀時は声が出なかった。
今自分に向けられている笑顔を、誰にも取られたくない。
言葉には出さなかったものの、強くそう感じたのだ。