第13章 次の場所へ移動
二宮視点
スタッフ「では 移動お願いします」
スタッフの声を聞いて俺たちは歩きだす。
(さっきから…ものすごく 監視…のような視線を感じる…)
周りを見ないように、最短コースで移動車に向かう。
(ココで理解者を呼びだすと、翔さんあたりが警戒するもんなぁ…)
車に入るなり潤くんが倒れ込む。
「潤くんどうしたの!」
慌てて支える。
M「ニノ…あのコメント…ヤバいかな?」
潤くんが自信のない目でつぶやく。
(コメント?『伝説…』)
S「伝説的ってヤツか?」
俺の考えと翔さんの声がかぶる。
M「うん…最高の物作りたいって言いたかったんだけど…言葉が…」
うなだれる潤くん。
S「確かにチョイスミスっぽいけど…」
潤くんの肩をポンポン叩く翔さん。
A「いいんじゃない?だって、潤ちゃんがそう言うなら、なるんだから」
マー君が車に入ってきた。
(あなたのそのテンション潤くんにあげて!)
M「でも…」
潤くんがまた下を向く。
(ミラクル不発かぁ、ここは俺の役目か)
「コメントはドコをドウ編集されるか分かりません。
それが良いも悪いも、編集した人の腕しだい。
Jが一番分かってるくせにぃ」
しゃがんで潤くんの顔を覗き込む。
(本番前になると…ナーバスになるんだよなぁ)
O「有言実行!」
マー君の背後からひょこっと出て来て大きな声を出す。
O「ようは、松潤が思った『伝説的なライブ』にすればいいんだ!!」
たまに見せるリーダーらしい力強い言葉。
S「キレキレバリバリでお願いします」
コントのように角度を付けて頭を下げる翔さん。
O「おお!任せとけ」
バカみたいに胸をはる大野さん。
A「言いましたね?聞きましたよぉ」
マー君が俺を見てニヤニヤ笑う。
「ほら、さっさと着替えて、本業に行くよ」
(衣装シワになる…)
潤くんの腕を引かれ、立たせる。
M「うん…」
素直に立ち上がってくれる潤くん。
A「俺が着替えさせてあげるよ♪」
マー君が手をわらわら動かしながら潤くんの胸ボタンに手を伸ばす。
(それは、やり過ぎぃ!!逃げて潤くん!)
M「自分で出来ますぅ」
潤くんがひらりと逃げる。
残念そうな、笑ってようマー君。
翔さんと大野さんがクスクス笑っている。