第69章 やっぱお着換え

櫻井視点

少し走った所で、車が止まった。

Ａ「止まった！　今どこかな？」
　無駄にテンション高い雅紀が窓の方を向く。

（いつものことだけど　暴走しても困るし）


「お疲れ」っと日本語と共に勢いよく車の扉が開いた。

　外から入ってきたのは藤渕さん
俺たち嵐の専属マネージャーのチーフをしている。


ｽﾀｯﾌ「はい　お疲れ様です」
　スタッフくんが立ち上がる。

（上司だもんね…）

　藤渕さんは片手をヒラヒラさせ、スタッフくんを座らし、俺たちを見ている。

（ニノ　見てるのかな）


藤渕「着替えは今朝のをハウスにあったからそのまま　持ってきたぞ
　　身なりを整えてたら戻ってこい！」　
　親指を外に向ける藤渕さん。

Ａ「じゃ！俺一番！」
　一番を宣言して立ち上がる雅紀。


藤渕「出て直ぐのコンテナトラックを着替え室にしている。
　　迅速に動け。待たせるなよ！」

Ａ「はーい」
　足早に車から出ていく雅紀。

妙な沈黙が流れる

（だれかついて行けって事か）
「俺も！」
雅紀を追って車から出る。


　雅紀がこっちを向いている。

Ａ「一緒に行くの？」
　後ろ歩きで俺の方を向く雅紀。

「ああ　一人はさみしいだろ？」

Ａ「さーみしく　なんか　ないよぉ」
　俺と視線を合わせないように前を向く雅紀。

「強がるなよ　ニノとあんまり絡めてないから　調子付かないんだろう」
雅紀にとびかかり背中をぐいぐい押す。

Ａ「ソンナ　ことないよ　いつだって全力投入です」
　身をよじらしながら俺の方を向き　相葉スマイルをしている雅紀。

（無理しちゃって）

「サッサと着替えような！」
ポンポンっと頭を叩く。

　少し下を向いた雅紀は「そうだよ」と顔を上げた。

（うん　そうそう　その顔が雅紀だ）


Ａ「ニノの時間作らなきゃ！！」
　元気よくコンテナの一口に向かう雅紀。