第57章 1日目 《MC》 3
大野視点
着替えを済ませ 少しだけ水分を取って 外に出された。
(どうしよう ニノの側に居たかったけど アイツらが…)
振り向くと 眷属スタッフがジロッと見ている。
(なにもするな かぁ)
ステージから下りる翔くんが見えた。
(あ 翔くんだ)
S「お疲れぇ 着替えてくるね」
翔くんが笑顔で近づいて来る。
「ああ 行ってらっしゃい」
めいっぱい笑顔を翔くんに向ける。
(上は、二人か、出といたほうがいいか…)
音を立てないように階段を上がり、脇から表を伺う。
スタイリッシュに立って話している二人の背中がある。
(あの 二人の側に 行けるかな…)
そっと、水面に足をいれるようにステージに足を踏み入れる。
ニノや松潤が張ってくれた ハレの日の陣に吹く心地よい風が俺の歩く波紋と共鳴していく。
(ああ これが ブッチが言った 事かぁ)
相葉ちゃんの側にゆっくり近づくと「おかえり」っと笑ってくれた。
「た ただいま…」
頷いて返事をした。
(たぶん 今の俺の顔赤くなってる…)
二人が何を話していたのか、わからないから、そうっと二人の会話を聞き始めた。
M『後は…アルバムですかね?』
松潤が思い出したような顔で話を始めた。
『アルバムだ!』
ビックリしたような顔して俺の方を向いた松潤が、一つ咳ばらいをして
『今、絶賛アルバム作っている最中でして、レコーディングをしています。
こちら来る前に、みんな歌録りが終わって、帰って完成したものを聞いて、いよいよライブドームツアーが始まります』
翔くんのように、ほほ笑みながら話を進めていく。
会場から拍手と「 ウォ~ 」と歓声が上がった。
A『そうですよっ!早いですね!』
楽しそうな相葉ちゃん。
『早いですね。帰ったらすぐリハーサルですかぁ』
(いい感じの新作 作らないとなぁ)
ふうっと息を吐き肩を落とす。
M『すげー嫌そうに言いましたよね?』
ツカツカっと松潤が近づいてくた。
「いやいやいや…(がんばって 作りますよ)
楽しみで、へっ ええ!」
手をブンブン振って誤魔化す。
(松本殿 の お気に召す 物を 作ります はい )