第8章 通常運転なの たぶん そう
松本視点
N「ここ英語の方がいいかな?」
ニノがパソコン画面を指さしながら俺を見る。
(ああ【結成秘話】説明 難しいねー)
「日本語で言って英訳してもらえば?」
クイッと顎だけ動しニノを見る。
N「変に英訳されるのイヤじゃん」
口を尖がらして不満そうなニノ。
(珍しいね…俺にそういう顔するの…
「じゃ 後で翔くんに適切な英語聞いてみよう」
メールで先に翔くんに…)
携帯の翔くん宛にメールを開く。
N「そうだね 次…」
ニノが次の回答を矢印を動かして、引っ張る。
(もう次? なんか早いね…
それに比べての…
いつまで その指示待ちの犬でいるつもりなんだろう…)
そわそわした顔で俺たちを見ている相葉くん。
N「まーくん」
ニノがしびれを切らして声をかける。
A「はい!なんでしょ?」
“待ってました”な顔でニノの方を向く相葉くん。
(なんなの、この関係…意味わからん…)
N「これ みた?」
一枚の紙をヒラヒラ見せる。
ニノが見せた紙を相葉くんが受け取る。
内容を把握した相葉くんが
A「すごーく ゆるーいスケジュールだね?」
ゆっくりな口調だけど顔が引きついている。
「ココ危険だよね」
相葉くんが持っている紙の【向こう都合】の場所を指でトントン叩く。
うんうんと頷いて、相葉くん。
(声に出せばいいのに…)
N「きっちり割り振りして巻きますよ!」
人差し指をクルッと回すニノ。
A「取材巻くの?」
相葉くんが少し驚いている。
N「どうせなら 日本のメディアの方に時間取りたいでしょ?」
ニコッと笑うニノ。
(おやぁ 良い顔して…)
ニノと目があう。
ニノ少し目がキョドる。
(ふふ 照れてる?仕事の話にしてやるよ)
「どうせ 上で詰める事になるけどね」
親指を天井の方に向ける。
「道筋を自分たちで考えないと、な」
(後はあの二人がイイ感じなオーラを纏ってくれてば、うまく行く)
キッチンからリーダーが一人出てきた。
(一人? 翔さんは?)
リーダーの手にマグカップがある。
(先にニノのブラックをもって来てるのか…)