第52章 嵐 コンサート 中盤
吉桜視点
「おおおおお」
ステージ横から翔様たちのコンサートを見ている
橋本「お前は守備の自覚があるのか!」
橋本さんの低い声が聞こえた。
慌てて 振り向くと、橋本さんが古代樹の枝を手に持って立っていた。
「ひ すみません」
頭をさげる。
橋本「まったく 演出補佐であろう?次の護符を出さないか!」
コツンっと頭を小突かれた。
「はい」
頭をさすりながら 翔様から預かっていた紙札を空間に出現させる。
出現した紙札に向かって枝先を向け
≪wagakimini tukaesi hitenn kore matoi 嵐 to tomoni mae≫
呪術文言を唱える橋本さん。
次々飛天が現れ紙札と共にステージの方に飛んでいく。
(すごいなぁ…
皆さん 個性的な術式をお持ちなんだな…
まだ 僕は易行もまだおぼつか無いのに…)
橋本「よいか
お前は まだ 門下に入ったばかりで、隙が多い
ソコを突かれ折れると嵐の皆様が困るのだ 気を張れ」
「はい 精進します」
再び頭を下げる。
翔様から預かったのは 木樹の護符と水の護符
(入ったばかりの 僕を引き上げてくれた翔様 嬉しかった
けど…
その分ドンドン プレッシャー増してきて…)
O『 きっと大丈夫 』
大野さんの声が聞こえてきた。
A『 回り道も たまにはわるくない! 』
相葉さんの明るい声が聞こえる。
N『 そんな事で 悩んで ナイナイ! 』
二宮さんのアイドル声が聞こえる。
M『 力抜い 休んでいいじゃない! 』
松本さんが笑っている。
(翔様だけじゃない 嵐の皆さんをお守りするんだ
でも 僕の蟲はまだ…)
掌の中にいるのは一匹の幼蟲
S『 窓を 開ければ 明日の空も 晴れるはず
きっとそれが糧になる
今日も楽しみ もれなく
いつも焦ってた あの日の僕に 会えれば
想い 伝え 叫ぶさ
“夢はでっかく こう描く” 』
七色の光が翔様たちを包み、それぞれの多種多様な色合い模様の衣へと変わっていく。
(僕の蟲も成長して 翔様の輝きの一つになれるだろうか…)