第46章 本番一日目の朝
A「ネ~ ニノぉ」
さっきまで大野さんの側に居た相葉くんがピョンピョン跳ねていく。
(なに、気持ち悪い顔して…)
A「翔ちゃん迎えに行こうよ?」
「翔さんはあんたじゃないから 時間になったらちゃんと来ますよ」
A「いっつも一番の翔ちゃんを迎えに行けるチャンスだよ?
滅多にないことなんだから」
だんだん声が大きくなる相葉さん。
(潤くんが こっち見てる… 邪魔ですね 連れ出しますよ)
A「ねね 良い事ない?」
「はいはい」
ロクに話を聞かずに、背中を押して部屋を出る。
A「俺が翔ちゃん迎えに行くから ニノ自分の部屋で待ってて?」
「なんでよ?」
A「部屋の前に来た時 今から行きますよって感じで出て来てよ」
「何の意味があるのさ?」
A「いいから その方が 楽しいから」
俺を部屋に押し込むと、一切俺の質問に答えず相葉さん。
「おーい 言いぱなしかよ」
まさかの自分の部屋に一人なった。
(まったく なんのコントなんだよ アドリブ? まったく…)
扉にもたれ 心の中で毒つく。
S「シャレにならねーよ」
翔さんの声が聞こえた。
(案外早かったなぁ)
扉をゆっくり開ける。
A「おはよう ニノ!」
扉の前に相葉さんが笑顔で立っていた。
(寝起きのフリしないといけないのかな?)
「朝から うるさいですよ」
鬱陶しい相葉さんをよけ廊下に出る。
S「おはよう」
翔さんが俺の方に近づいてきた。
「あ 翔さん おはよう」
ペコっと頭を動かす。
(足元にも何もついてませんね…)
A「おれには?」
ピョンと音が聞こえるように俺の横に寄って来た相葉さん。
(さっきまで 一緒だったでしょう…
まぁしたがないですね)
「早よ」
A「えー 雑ぅ」
フロアに相葉さんの声が響く。
M「うるさいな そんなに声ハルなよ」
一番奥の部屋から潤くんが顔を出す。
「あ~あ 後でありがたーいコゴト言われても、しらないんだから」
相葉さんの背中に隠れる。
A「えー 潤ちゃんの小言怖いんだよ 一緒に居てよ」
振り向いた相葉さんの手が伸びてくる。
「やだよ 行きますよ」
パシンと手を叩いて、翔ちゃんを追っかけて行く。
A「ぃったぁぃ」
(大げさだなぁ…)