第44章 通しリハ
二宮視点
ジャンプアップの台に向かう。
「ニノ…」
潤くんの声が聞こえた。
(ん?)
イヤモニを軽く抑える。
Mモニ『マーがテンション上がってる。ジャンプアップの止めたけど…大丈夫かな?』
ボソボソと不安げに言っている潤くん。
(マー…か)
「本人が大丈夫って言ったんでしょ?」
潤くんにだけ分かる言葉を返す。
Mモニ『うん…』
潤くんの小さな返事。
(あ~ぁ もう…心配症発病ですかぁ…)
「信じてあげたら?」
(潤くんがパスした物を、さすがのバカもプロだからしないと思う)
今、一番向こうの相葉さんの姿を探す。
S「どうしたの?」
隣の翔さんと目が合った。
「ぁ… なっなんでもない…」
説明が面倒だから体を引っ込め しゃがむ。
S「そっ」
翔さんの視線が無くなる。
(よかった…翔さんに変に勘ぐられる無くて…)
Mモニ『分かった』
イヤモニから一応の返事。不安は拭えてない。
「ん」
コッチからも反応は淡白にした。
(ふぅぅ
まずは 自分に集中!!
人の事ばかり気を配るほど 余裕はない…)
M『 Monster スタートします 』
ボーン ボーン
振り子時計の音が響く。
M『音楽とバックのみ先にしますので メンバー待機で』
潤くんがマイクを通して指示が来た。
「はいはーい」
Hey! Huh!
Monster のバックをハワイの火の演武 リネシアンショーで演出する。
松明を持ったダンサーがステージの上でリハーサルをしているから見上げている。
(すげー これが本場のファイヤーダンスかぁ
俺たちじゃ…これだけの迫力は出せないよなぁ)