第44章 通しリハ

相葉視点

アップを取り終えたカメラがテントの端に移動する。

　スタッフからマイクを貰って階段を上がりメインステージに登場。

（ココ一杯にお客さんが入るのかぁ…）



Ｍﾓﾆ『もう！リーダー！本番ではしないでよ！！』
　イヤモニから潤ちゃんの声が聞こえる。

ステージ正面で腰に両手を乗せたちょっと怖い潤ちゃんが、こっちを見ていた。

（教育的指導ですか？）

Ｏﾓﾆ『　しないよ。だぶん…　』
Ｎﾓﾆ『　させない！！　』
　二人のコントが始まる。

Ｍﾓﾆ『　ニノ。よろしく！　』
　ステージ下の潤ちゃんもソレに乗る。


（ちょっと　今は通しリハ中だよ！！）


Ｓ「HEY！HEY！進めますよ！」
　翔ちゃんがパンパンと手を叩く。

（お！さすが翔ちゃん！）

Ｓﾓﾆ『　進めて！　』
　翔さんが潤くんに指示を送る。

Ｍﾓﾆ『　ＯＫ　』


🎵A.RA.SHIが流れ出す。


Ｓﾏｲｸ『　Take it so so　』
　翔ちゃんの声が会場に響き渡る。



「Take it so so」
何度も触れてきた曲だから、意識しなくても自然とできる🎵



潤ちゃんの渾身のセトリを体全体を使って歌って踊る俺。



　ステージ下から見ている松潤。


（ふふ　ちょっと生意気な　かわいこちゃん

　すっかり　大人になってぇ♡


こんな事　口にしたら　殺されるだろうなぁ　モモに…）





Ｓﾏｲｸ『　あかさたな　習った頃から　』


　中央のステージがゆっくり降りながら空を見上げる。


（あ～　曇ってるぅぅぅ）



　≪　風よ　雲を流せ　≫
　ニノの“声”で雲がゆっくり動き出す。


（ぁ…　リハ中に　力使っちゃぁ）



横でピリッと顔が変わる翔ちゃん。



（翔ちゃんの顔…

　知らねーょぉ　にのちゃん…）


ゆっくり底まで降りるステージでニノを見ている。



ｽﾀｯﾌ「こちらです」
　底まで下りるとｽﾀｯﾌが誘導する。


　ニノは無言でステージ下の着替えスペースに向かって歩いて行く。


　密着のカメラが俺たちを写している。


（はー　笑顔を振りまけませんねぇ…）


　自分のスペースの椅子に座るカズ。


（ねー　カズ…
　少し　気合い入れ過ぎではありませんか？）