第26章 しばしの休憩

松本視点

　年長者の二人が入って来て、コンテナの中の空気が穏やかになる。

（はー　ちょっと気を張りすぎてたかなぁ…）
冷蔵庫の水を取り出し、側に置いてあるグラスも一つ取る。




吉桜「お待たせしました」
浜地「おまたせしました」
　コンテナの中に専属のマネージャーが動いている。


　そのたび　俺のモモが耳を動かす。


（おまえ…ずーっと…だな…　ほら　水だよ　先に飲めよ）
グラスを鞄の側に移動させる。



俺がモモを見ていると　モモもジーッと俺を見かえす。



Ａ「はぁやっ！」
　相葉くんの高い声が響く。

浜地「ふふ」
　浜地さんも笑っている。



（ここなら　安全だ…飲んどけ…　俺は後でいいから…


　ほら　翔くんもリーダーも相葉くんも…）



　カーテンからニノが出てきた。



（ん　機嫌は…もどったかな？　ニノだって要るだろぉ…）


モモが俺から離れるのを感じる。





　ニノは何もいわず、紅茶を飲み始まる。
　そのニノを見つめるリーダー。


（なんか　言ってやれよ…
　リーダーはお前の声が聴きたいんだよ

　まぁ　アレがニノなんだろうけど…）



グラスの中の水面がゆっくり揺れる。

（ヤバい…ちょっと気を抜きすぎてる…）



浜地「松本さんアイスコーヒーをお持ちしました」
　ニコニコほほ笑みながら俺の前にアイスコーヒーを置く。


「えっと　頼んでないし…水がありますし…」
ペットボトルを見せる。


浜地「そうですね　でも、それは…モモ様のぶんですよね？
　　こちらは松本さんの分です」

　ニコニコほほ笑む続ける浜地さん。


「あぁ
（浜地さんの呪(まじな)い入りなのね…）

　はい　いただきます…」
ゴクッと一口アイスコーヒーを飲む。


少し苦みのあるコーヒーがスーッと喉を通っていく。


「おいしい…」


｛さすが　帝の薬師の末柄　よき水を注ぐ｝
モモが俺のアイスコーヒーの覗く。


（浜地さんの飲み物は薬いらずだよ）