第20章 確認と確定はみんなで

松本視点

Ｓ「カメラアングルで何とかなるんじゃね？」
　翔くんがモニターを指さす。

（アングルは…大丈夫だった）
「アップに写るのはどれくらい？」
撮影スタッフに確認する。

ｽﾀｯﾌ「名前が表示される数秒です」
ｽﾀｯﾌ「降りてから名前の表示される時間は、相当　短いんで　どうしても　４小節　待っていただかないと、後ろに回り込めない…」

Ｓ「一人一人のアップの画を入れるんなら、歩数かマークで、タイミング取って“スイッチ”すれば？」
　翔くんがドンドン案を出す。

「スイッチかぁカメラを動かすより　その方が早いね…」

（よし、スイッチでうまく行くか確認してみよう…）


Ａ「ねーねー　さっきテントあったじゃん？マイク貰ってからの所。
　　あの中通る時は、前から撮ってるの？後ろからなの？」
　相葉くんがカメラマンに質問している。

ｶﾒﾗﾏﾝ「両方から向いてます」
　カメラマンが返事をしてくれた。


（ん？なに？）


Ｓ「相葉くんが聞きたいのは『スクリーンにどっちが映るか？』なの？」
　翔くんが質問を聞き返している。

Ａ「うん。そう」
　大きく頷く相葉くん。


（あ…ニノ…話ぃはいんないんだ…）


ｶﾒﾗﾏﾝ「あぁ　すみません。スクリーンに映るかどうかは分かりません」

Ａ「分かんないの？」
　腰に手を置く相葉くん。

ｽﾀｯﾌ「我々は五人をずっと前から写してアップを撮ります」
　スタッフが横から話に入る。

ｽﾀｯﾌ「で、横にハケますので、多分　その辺りで定点カメラに切り替わるかと思います」
　丁寧に説明するスタッフ。


Ａ「なるほど。じゃ　マイクを貰う所もスクリーンに映るの？」
　次の質問をする相葉くん。

ｶﾒﾗﾏﾝ「手渡すの場所ですか？もちろんです」


「あ！さっきマイク受け取った所の映像見せて」

ｽﾀｯﾌ「はい」
　テープを巻き戻す。


ｽﾀｯﾌ「ここら辺ですね」


（みんな　会釈して貰ってるねー　ここで時間取ったのか…）
「マイクの受け渡し削れないかな？」


Ｓ「マイクを持ってヘリに乗るって事？」
　翔くんが少し慌てて確認してきた。


（しまった…心の声が漏れちゃった…）
「いや　まだそこまでは考えてない」
小さく顔を振って翔くんに答える。