第105章 流れの共有
松本視点
A「翔ちゃん!!」
相葉くんが両手を広げて翔くんに飛びつく。
(ア゛!)
S「うわ!どうしたのよ」
驚いた声を出しても、翔くんは相葉くんを受け止める。
相葉くんの身ぶり手振りと一緒に相葉くんの羽が翔くんを包んでいく。
S「え?いいこ?ちょっと!!」
翔くんのタキシードの形状が変わり始まる。
O「相葉ちゃん強すぎ!!」
リーダーが翔くんの背中を支える。
N「はなれなさい!!」
ニノも困った顔して相葉くんの裾を引っ張ている。
それでも、離れない相葉くん。
(ああ…)
「またやってる!!」
相葉くんの背後に立ち、襟をグイっと引っ張り翔くんから剥がした。
(ここ!弱いでしょ?)
A「ぎゃ!」
急いでニノの背中に逃げこむ相葉くん。
(まったく 無自覚解放だと思うけど、止めてよね)
相葉くんの動きが止まった事を確認してから、翔くんの側に行く。
「「大丈夫?」」
翔くんに一応聞く。
リーダーも同じタイミングで聞いた。
俺とリーダーを交互に見ながら「大丈夫だよ?」と笑う翔くん。
(大丈夫…いうと思った…
でも、その服の変化を自分で直しているでしょ…)
「「本当?」」(自我を保とうとしてるよね?)
再びリーダーとステレオで聞く。
(また ハモった…)
S「大丈夫だよ 心配しすぎぃ」
俺たちのハモリを嬉しそうにクスクス笑う翔くん。
(うーん 力の消耗が見えるな… この 宴 何時までかな? てか 時間の流れあるのかなぁ)
腕にいつもある腕時計を見る。
(あ…文字盤あって 針がない…)
N「はいはい 挨拶するんでしょ?」
パンパンと手を叩いて、場の空気を変えようとニノがリーダーに近づく。
O「うん」
手帳を持って頷くリーダー。
S「ちゃんと挨拶して、一度帰ろう?」
翔くんがモジモジしながら言う。
「帰る?」(どこに!!)
S「うん
この宴のトキの流れに居続けると、肉体とのね…」
肩を動かしながら語尾が小さくなる翔くん。
「肉体とのつながり?」
翔くんの体にきちんと向いて聞く。
S「そう つながり…」
チラッと目を合わしてくれたけど、直ぐ伏せる翔さん。
(ああ 『桜の姫』に引っ張られてる…)