第95章 言わない？言わないよ？

大野視点

Ａ「ダブル蹴りはわかったよ？でも、なんで俺　蹴られるの？」
　立ち上がった相葉ちゃんが、松潤に質問する。

Ｍ「もぉ、特別に言葉で説明して上げるよ。翔さんの蹴りの意味はね…」




（ちゃんと、言葉で…あ　翔くんだ！）


Ｓ「なに？なんの説明？」
　翔くんが小走りで帰って来た。


「おかえり」
声かけたけど「あのね！」と勢いのいい相葉ちゃんの方を向く翔くん。


（ぁ…取られた…別にいいけど…）



Ｍ「わーわーわー」
　松潤が慌てて相葉ちゃんの口を押えた。

Ａ「うぅぅ　んぅ」
　相葉ちゃんがもがく。


松潤が力いっぱい抑え込んで、相葉ちゃんを制する。


（そんな　気を使わなくても…）


Ｓ「あ！潤！」
　翔くんがいきなり大きな声で松潤を呼ぶ。


　急に呼ばれてビクッと体を動かして翔くんの方を向く松潤。
　それに連れれて翔くんを見る相葉ちゃん。

（何だろう？）
俺も翔くんの次の言葉を待つ。


Ｓ「ニノがね『来てほしい』って！」
　伝言を普通に伝える翔くん。


Ｍ「え？あぁ…はい…」
　少しほっとした顔をした松潤。


Ａ「ふふ　よかったね」
　相葉ちゃんがにこにこ笑っていう。


　松潤が相葉ちゃんに何か言った。
　見る見る赤くなる相葉ちゃん。

Ａ「もう！言っとくけど…」
　声を押さえて話す二人。


（気になる…）

Ｍ「ふふん　俺はそんな事ないもーん」
　松潤がおでこをコンっとぶつけた。


　大きく口を開けた相葉ちゃんが、慌てて松潤と距離を取る。

（あぁ　ニノのいない所でそんなことしないの…）


「ほら　ニノを待たすと大変だよ！！」
松潤の背中をポンポンと叩く。


Ｍ「はーい！行ってきます！」
　笑顔で声を掛けて、ニノの方に走って行った松潤。



「ふふ
　松潤は心配性なのか、ただ　単に遊んでいるのか」

（それに　俺だけ　意味　わかんねぇままじゃん）

走って行く松潤の背中を見送る。




Ｓ「ねー　何言われたの？」
　顔を一生懸命擦っている相葉ちゃんに声を掛ける翔くん。


Ａ「なんでも　ないよ！！」
　翔くんに、手を大きく振っている相葉ちゃん。


（相葉ちゃん…ボロが出そう…あんまり話さないほうが良いよ……）