第76章 魂の宴　挨拶の肉づけ

相葉視点

Ｏ「翔くんのおごり♡」
　大ちゃんが翔ちゃんに笑顔で言う。


（大ちゃんの笑顔って最高だよね！）

翔ちゃんを見ると翔ちゃんが、鼻と口を押えてのけ反っていた。

（ちょっと！　どうしたの？）


Ｏ「翔くん？どうしたの？」
　大ちゃんが翔ちゃんの躰を支えてくれた。


Ｓ「え？　あ…」
　口の前の手を退けない翔ちゃん。


Ｏ「舌噛んだの？」
　大ちゃんの顔が焦り出す。

Ｓ「ううん　だ…大丈夫です」
　翔ちゃんが口ごもりながら大ちゃんに返事をした。

Ｏ「本当？」
　覗き込む大ちゃん。

（でた…　大ちゃんの自分の目で見ないと　安心しない病…）


Ｓ「だ！大丈夫だよ…　本当だよぉ」
　顔を赤くしている翔ちゃん。

Ｏ「見てあげるから、手　のけて？」
　翔ちゃんが必死に隠している口の上の手を触りだす大ちゃん。


（大ちゃん　頑張るねー

　翔ちゃんも…抗ずに、素直に言えばいいのに…

　ね？　カズ…）
カズに話しかけようと向くと、

（やっ　そんな　目で二人を見ないで！）
カズが冷たい目で二人を見ていた。

「かっ　カズっわぁ　何かない？」



Ｎ「ん？」
　カズが普通の顔で俺を見る。

（ぉ　怒っているわけじゃないんだね？　よかった…）

せっかくの普通のカズに、普通に返事をしてもらおうと

「ほら（俺の知らないような）カッコイイ言葉いっぱい知ってるでしょ？」

　カズの目が　ふーっと　くう　を待って「自然体だから」とつぶやいた。


（どういう意味？）


Ｓ「自然体アイドル？」
　翔ちゃんがカズの言葉を拾って手帳にかき込んでいる。


（翔ちゃん！
　そこから　ちゃんと　カズの言葉拾えるんだね？　すごーい）



Ｎ「それは、みんなの事でしょ？」
　カズが翔ちゃんの方に歩き出す。


（みんな？）

Ｎ「この人に　その言葉 使いたいなら〝超自然体アイドル〟だよ」
　大ちゃんを指さしなから、カズが大きく息を吐く。



Ｏ「お！『超』いいじゃ！」
　大ちゃんが翔ちゃんの後ろから顔を出す。


Ｎ「気に入ってくれますか？」
　少し驚いた顔のカズ。

Ｏ「もちろん！！」
　嬉しそうな顔の大ちゃん。


Ｎ「嬉しいです」
　カズが嬉しそうに大ちゃんに抱き付いた。


（あれあれ？　なんだか　取り残されてる気がする…）