第76章 魂の宴 挨拶の肉づけ
櫻井視点
A「〝アイドル〟入れようよ♪」
雅紀が『思いついた』っという顔で俺に言う。
O「30過ぎて、自分のこと『アイドル』って言う?」
眉をハの字にした智くん。
(あなたは)「十分アイドルですよぉ」
智くんと目があったから、笑顔と一緒に一回頷いた。
智くんの頬が少しほころんで「そ、そうぉ♡アイドルなのかぁ…」頭をかきながらハニカムんだ。
「おおおおお!」
(智くんのスーパープリティースマイルを拝めるなんてぇぇ)
N「ここに一番のファンがいますよ」
和也が口笛を吹くように唇を尖らして、俺を人差し指で射抜く。
「はい」
額に勢いよく掌をあて和也に敬礼をする。
「私ぃ 智くんの事なら何でも知っています♡」
(ここじゃ、気取る事もないしぃ)
A「その手帳に大ちゃんの秘密が書かれているとか!!」
雅紀もニコニコ笑いながら胸を指さす。
(ん?この手帳?ふっ 甘いなぁ…)
「紙媒体には書く必要ありません。全てここにありますからぁ」
こめかみ辺りをトントンと人差し指で叩いてみた。
A「それ!俺の!」
強めの声を上げる雅紀。
(あら?ダメだったかしら?)
小さく舌を出す
N「いいじゃん」
和也が雅紀の腕を掴む。
N「使用料もらえば?」
ニヤリと笑う和也。
和也の顔を見て『あぁ なるほど』的な顔をして雅紀が「よし。そのお金で飲みいこう!!」と手をグーにして高く上げた。
N「その話乗ります♬」
一緒に手を上げる和也。
M「俺も!!」
追い掛けるように手を上げる潤。
「はぁ? なぜに 俺がおご…」
抗議の声を上げようと口を上げたら
O「皆でいこう!!」
両手を大きくあげる智くん。
(みんな? でぇ? って事は智くんも一緒? カメラ回ってない所で、一緒に?)
智くんの方を向く。
智くんは、さっき以上のプリティースマイルで俺を見ていた。
O「翔くんのおごり♡」
智くんのキラースマイルが飛んできた。
ぐはぁっっ
(俺、今 口からなんか出た!! 絶対出た!!)
慌てて口を押える。
O「わぁ!!!翔くん!どうしたの!」
智くんが俺の躰を支えてくれた。
「え? あ…」
手には、なにも汚物はついていない。
(吐血や鼻血…は、出ていない よかったぁ)
ちょっとほっとする。