第75章 魂の宴　話して　聞きたい

松本視点

背中を見せたニノに文句を言いたくて　体を動かすと「ねっね！！」と強い力で相葉くんに捕まった。
　
（ケンカしねーよ　ちょっと文句言いたいだけ…）

相葉くんはその細い腕で　俺たちよりずっと強い力が出る。

Ａ「こうやって宴に呼んでもらえるって本当に光栄だよね？」
　話題を変えようと翔くんに話し掛けている。


Ｓ「そ！そうだね！！
　　こんな　本格的な宴なら　きちんと挨拶をしたほうがいいよね？」
　翔くんもこの場をおさめるために周りを見回している。


Ｏ「挨拶は必要だね♪」
　リーダーは小さく何度もうなずいた。

Ａ「そうしよう♬」
　リーダーが同意したことが嬉しいのか、笑顔になる相葉くん。

「自分たちの言葉でね♡」
年上三人に俺の機嫌をアピールするようにニヤッと笑う。



Ｓ「じゃ、コメント考える？」
　翔さんがゴソゴソ内ポケットから手帳を出す。


（手帳？）


Ａ「そうだね！精霊に向けてだから…」
　グラスをテーブルに置いて、椅子に腰かける相葉くん。

Ｓ「精霊様ね！」
　翔くんが持っているペンの先が相葉くんに向ける。

Ａ「は、はい」
　相葉くんが翔くんに向かってキチンと立つ。


　ペン先をゆっくり回しながら睨む翔さん。

　小刻みに震える相葉くん。


（ヒィィィ！！その目！怖いよ…）


Ｏ「翔くぅん。」
　リーダーが抜けた様な声で翔くんを呼ぶ。

Ｓ「は、はい！」
　翔くんがリーダーの方に向き直す。


Ｏ「それは、またにして、決めよぉよ」
　ニコッとリーダーが笑う。


Ｓ「えぇぇとぉ　…　だから…」
　翔くんが手帳に言葉をブツブツ言いながらスラスラ書きだす。

（通常運転に戻った…）

　ほうっと息を吐く相葉くん。

（怖かったね…俺も震えたよぉ

　翔くんの睨み…なるべくお目にかかりたくない…）

Ｏ「〝今の僕らが　ここいるのは、たくさんの人たちのおかげです〟」
　唐突にリーダーが挨拶案を口にした。


Ｓ「はいはい」
　素早く手帳にメモを取る翔さん。


（智さんと翔くんは、何の説明しなくても　動き出すと連携しているんだよね…

　もう　いいかなぁ…祝福…しても…

　さっきリーダーが言ったみたいに、沢山の人たちのおかげでココに居るんだし…

　でも　引っかかる…聞いてみるか？）